※少し時系列が前後したりしますが、
思うままに書いているので
ご了承くださいねw
【神のルーツを知る旅】
神々の慈しみと悲しみ 厳島神社編①
神々の慈しみと悲しみ 厳島神社編②
神々の慈しみと悲しみ 厳島神社編③
現在、厳島神社のご祭神は
『宗像三女神』ですが、
もっと古くは『厳島大明神』が
お祀りされていたと言われています。
厳島大明神の詳細の多くは
不明とされていますが、
今回の旅で私が感じた
厳島大明神の姿をお伝えします。
ここからは私の感じたものと
私の推測を含めたものになりますので
予めご理解の上で読み進めてくださいね。
最初に感じた厳島大明神は
海の底に巨大な道があるのかと思うほど
海底をどこまでも続く太い道のような、
かなりのスケール感の白い大蛇。
つまりは海を守る海神。
海神とは海の神であり、
そして海の神を信仰する一族は
海神族と呼ばれていました。
【海人族(かいじんぞく、あまぞく)とは】
縄文時代から弥生時代以降にかけて
海上において活動し、のちには
海上輸送で力をつけることとなった集団のこと。
そして厳島神社の御祭神である
『宗像三女神』を信仰する宗像一族も
海神族の代表格のひとつです。
(長野県安曇野を中心とする安曇(あずみ)一族も海神族の代表格の一つです、諏訪大社の
ルーツ絡みでこちらについてもいずれ書いていこうと思ってます)
水を司る神である宗像三女神。
水を司る神(水神)といえば、
瀬織津姫(せおりつひめ)、
市杵島姫(いちきしまひめ)、
宗像三女神(むなかたさんじょしん)、
罔象女神(みつはのめのかみ)や、
仏教では弁財天、善女龍王、
ヒンズー教ではサラスバティなど。
神仏の名前に詳しくない方でも、
女神さまが多いことがわかると思います。
そして水神と言えば
女神と龍神。
高龗神(たかおかみのかみ)
八大龍王(はちだいりゅうおう)
など。
そして私が感じた厳島大明神は
白蛇(龍神)であり、
ある女神の化身。
その女神の名は市杵島姫
ちなみに白蛇は、
市杵島姫と同一神とされている
弁財天の眷属(神使)、
または化身とも言われています。
そうしたことからも、
厳島大明神=市杵島姫
という図式が見えてきます。
でも、これだとなぜか
しっくりこなかったんですよね…。
市杵島姫なんだけど
何かが足りない・・・
そんな奇妙な感覚のまま
時間だけが過ぎていき・・・
そんなある日、厳島に伝わる
ある伝説を知りました。
この伝説こそ、
厳島大明神に繋がる
重要なピースだったんです。
~ 厳島に伝わる伝説 ~
宗像三女神の一人である
「市杵島姫命」にはその昔、
二歳になるお子様がおりました。
それはそれは、かわいらしいお子様で
姫のかわいがりようは、
目に入れても痛くない程の
ものだったといいます。
ところがある日
大変な事が起こりました。
姫のかわいがっておられた、
このお子様が突然姿を
隠してしまったのです。
どこへ行かれたものか、
誰が連れ去ったものか、
さっぱり見当がつきません。
姫は大層嘆き悲しんであちらこちらと、
あらん限りの力を絞って
お探しになりましたが、
その努力の甲斐もなく、
とうとうお子様を見つけることは
できませんでした。
さて、それからというもの、
姫はすっかり元気を
なくしてしまわれました。
毎日毎日、遠くを眺めては、
ほっとため息を尽くばかり。
また、どういうわけか
雉の鳴き声を聞くと、
身にしみて耐え難いと
いわれるようになりました。
そして今まで住んでおられた土地を離れ、
どこか平和で美しい、
安住のできる土地を求めて
遍歴の旅に出られたのです。
~ 中略 ~
そして数あるゆかりの地を経て、
やっと理想的な安住の地を
見つけられました。
それが今の宮島であると伝えられています。
上記の内容は下記のサイトを
参考にさせていただきました。
詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
市杵島姫には生き別れになった
子供がいました。
市杵島姫の御利益には
・航海安全
・交通安全
・金運上昇
・技芸・芸能
・商売繁盛
・国家鎮護
などがあり、
弁財天と同一視されることにより、
金運・財運上昇や芸能上達なども
有名になりましたが、
実はあまり知られてはいないけれど、
こんな御利益もあります。
それは・・・
・安産祈願
・子授かり・子宝祈願
いちきさんは
子守の神という姿も
あるんですね。
今までは、この子宝や子守の意味が
繋がらなかったけれど、この伝説を知り、
とても納得しました。
自身が愛する子と生き別れたからこそ、
同じ悲しみを誰にもさせまいと、
幸せに子供を授かれるように、
子供が無事に成長するようにと、
子供の守り神となったんだと思います。
また、厳島は島全体が
神域(御神体)であり、
そうした信仰から独特の風習も多く、
たとえば、
・島の女性に出産が近づくと、
対岸に渡って出産後、
100日を経て島に戻るしきたり
・女性は生理の時期には、
町衆が設けた小屋に隔離されて過ごす
などがあり、神域ゆえの
ケガレを忌み嫌うという説が
言われているそうですが、
このしきたりの当初の意味合いは
まったく別の視点、
別のものであった気がしてなりません。
【関連記事】
生理中の参拝について
これは、神仏を想いやる
人側ゆえの配慮の視点であり、
子供と生き別れになった姫さまが、
それを思い出して悲しまないように、
出産や生理といった子供を連想させることを
なるべく姫さまの目に入らないように・・・
そんな神仏を大切に想う
人側の信仰心ゆえの配慮から
うまれたしきたりなんじゃないかなって
私は思っています。
そしてね。
私がこの伝説を知り、
厳島大明神の足りないピースが
埋まった事で導き出した答えは…
厳島大明神=父・母・子の三神
ということ。
厳島大明神=市杵島姫だけではなく、
夫と、そして生き別れた子の
親子三神のエネルギーを持つ
海の神・海の守護者こそが厳島大明神。
ちなみに伝説の中で
『雉の鳴き声がなぜか
身にしみて耐えがたい』
と書いてありますが、
雉とは古事記の中では、
神(天)の使い(伝令役)として
登場します。
なので、
子供がある日突然いなくなったのは、
天からの指示・指令であり、
姫自身もそれをわかっているからこそ、
雉の鳴き声が耐えがたいという
表現が残されているのかもしれません。
(これは推測の域をでないので詳しくは書きませんw)
そして、厳島大明神が
父・母・子の三神であることによって
新たに見えてきたこと。
弥山の守護者
三鬼大権現
厳島神社の御祭神
宗像三女神
厳島の海の神
厳島大明神
すべて三神であるということ。
そして、
弥山・厳島神社・海
これも3カ所。
さらに弥山(みせん)とは
別の書き方をすると三千にもなります。
インド神話や仏教や
ヒンズー教の世界観では、
世界の中心にある山の名は
「須弥山(しゅみせん)」
それを踏まえて弘法大師空海が
弥山と名付けたのですから、
それだけパワーのある場所、
重要な地である事がわかります。
これらの示す意味、そして
それぞれの繋がりについて
厳島神社編⑤へ… 未完
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